ボードゲームやパズルゲームは、最近、単なる娯楽のための玩具としてだけではなく、「考える力」を学ぶ教育ツールとしても注目されています。
そこで今回は、ボードゲーム・パズルゲームについて、教育ツールとして注目を集める現状や、子供にオススメの世界のボードゲーム・パズルゲームを紹介していきたいと思います。
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目次
ボードゲーム・パズルゲームで考える力を身につける授業「マインド・ラボ」!
世界15カ国の先進校では「マインド・ラボ」という教育メソッドが採用されています。
マインド・ラボは、ボードゲームやパズルゲームを使って「考える力」を学ぶ教育プログラムです。
ボードゲーム・パズルゲームをクリアするためには以下のことが必要になります。
- ルールを理解すること
- 協力して進めていくこと
- 考え方に秩序を持って進めていくこと
- 優先順位をつけて進めていくこと
そしてこれは、勉強をするうえでも、社会生活を送るうえでもとても重要なことです。
マインド・ラボでは、普通の授業では教えにくいけれど、とても大切なこれらのことを、ボードゲームやパズルゲームを使って学んでいきます。
実際に、ボードゲームで学んだ子供は、そうでない子に比べて、問題解決率が高くなったという調査結果(米イェール大学)もあり、ボードゲームやパズルゲームは教育ツールとしても、今後ますます注目が高まると考えられています。
「マインド・ラボ」を家庭でする方法!
ボードゲームやパズルゲームを使えば、生きていくのに必要な「考える力」を、家にいながら身につけることができます。
以下はやり方の一例です。
1.ゲームをプレイする
まずは、ゲームのルールを理解したうえで、純粋にプレイを楽しみましょう。
幼児であれば、ルールを理解して、そのルール内で目的を達成するよう考えるだけで、知育になります。
2.どうしたら勝てるか?クリアできるか?を皆で検討する
現状を把握し、起こりうる可能性について、皆で検討してみましょう。
コマを「いつ」使うと効果的か、「どう」置くと良いか、相手が出すであろう手には「どう対処」するかなど、具体的な戦略についても話し合ってみましょう。
そうすることで、考える力が身につきますし、自分が相手の立場ならどのコマを、いつ、どう置くかなど、相手の立場に立って物事を考える訓練にもなります。
小さな子の場合には、大人が「このコマは他のコマとどう違う?」「このコマはどう置いたらいいかな?」などと、誘導してあげると良いでしょう。
3.プレイが終わったら、どうしたら勝てたか?クリアできたか?皆で検討する
結果が勝ちでも・負けでも、成功でも・失敗でも、その理由を検討してみましょう。
どこが勝ち負け、成功・失敗の分岐点になったかを洗い出すことで次に活かすという、問題解決の方法論を学びます。
4.実生活であてはまる状況について話し合う
体育の授業、学校のテストや友達との遊びなど、あてはまる状況について話し合ってみましょう。
なかなか難しいと思いますが、例えば、サッカーの試合なら相手の動きを予測してその場合の対処法を考えておく、こんな状況ではこのメンバーをこのポジションに投入するなど、学んだ考え方が応用できるシチュエーションを考えてみると良いでしょう。
全てのボードゲーム・パズルゲームでこの通りできるわけではありませんが、「ゲームをプレイする→思考パターンについて学ぶ→実生活であてはまる状況について話し合う」を意識してやってみる事が大切なんですね。
子供におすすめの、世界のボードゲーム・パズルゲーム!
子供におすすめのボードゲーム・パズルゲームをまとめてみました。
世界各国の知的現場で採用されているものばかりなので、お子さんにとって役立つ力を身につける助けとなるはずです。
各商品の詳しいレビューを書いたページへのリンクも貼っておきます。
気になる商品についてはそちらも参考にして下さいね。
カタミノ(KATAMINO)
様々な形をした12個のブロックを、しきり棒で仕切った様々な大きさの枠にはめるのが基本の遊び方。
たった12個のブロックを枠に入れるだけなのに、500もの問題があり、それぞれの解答方法も36057通りあります。
枠はめ遊びを通して、自然と図形や空間を認識する数学的力が身に付きます。
幼稚園年長(6歳)の我が子も持っていて、夢中で遊んでいます。
幼稚園年中(5歳)くらいからなら、枠はめ遊びで十分楽しめますし、もっと小さな子でも、積み木のように遊んだり、色遊びをしたりと、年齢にあった遊び方ができます。
年齢ごとの遊び方については、以下の記事に詳しくまとめていますので、参考にして下さいね。
カタミノ(KATAMINO) | |
発売元 | ギガミック(Gigamic) |
対象年齢 | 3〜99歳 |
プレイ人数 | 1〜2人 |
内容 | 枠×1、スライダー×1、ピース×20、問題集×1 |
価格 | 5,600(税別) |
ラッシュアワー(RUSH HOUR)
ボード上に、前後にのみ動かせる車を指定通りの置き方で配置。
他の車を動かして、自分の車を渋滞から脱出させるボードゲームです。
難易度は初級・中級・上級・エキスパートの4段階、合計40問に挑戦します。
「この大きさの車を動かす必要があるから、まずはこっちの車をここに動かして…」と、理論的思考力が必要なゲーム。
車の並びを把握して、正しい順番で動かしていくことを通して、「状況解析→処理」というプログラミングの考え方を学ぶこともできます。
幼稚園年長児の我が子も持っていますが、初級なら一人でもクリアできます。
ラッシュアワーにはジュニア版という簡単なバージョンもあるので、もっと小さなお子さんや、思考に慣れていないお子さんは、まずはそちらを試しても良いかもしれませんね。
ラッシュアワー(RUSH HOUR) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | トレイ×1、問題カード×40、車×16、収納袋×1 |
価格 | 3,700円(税別) |
グラビティ・メイズ(GRAVITY MAZE)
決められたスタートとゴールを、高さや回路の違うタワーで連結し、球をゴールまで転がすゲーム。
タワーの材料になるブロックは、内部の形状がまちまちで、置く向き二よって回路が変わります。
ゴールが決められているので、結論から考えを組み立てる能力が身に付きます。
難易度は初級・中級・上級・エキスパートの4段階、全60問です。
立体的な考え方ができるかがミソなので、得意不得意が別れるゲームだと思います。
我が子は小学1年生(7歳)になる今でも苦戦する問題が多いので、親と一緒に取り組むことも多いです。
グラビティ・メイズ(GRAVITY MAZE) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | トレイ×1、問題カード×60、タワー×10、ビー玉×3、解説書×1 |
価格 | 5,040円(税別) |
ホッパーズ(Hoppers)
出典:楽天
池の中に、指定通りにカエルを並べます。
カエルは隣のカエルの場所にのみ飛ぶことができ、飛んだ先のカエルは取り除く事ができます。
最後に池に1匹だけカエルを残せればクリアです。
難易度は初級・中級・上級・エキスパートの4段階、全40問に挑戦します。
頭の中で数手先まで計算する能力が身に付きます。
我が子が次に買いたいと思っているゲームです。
ホッパーズ(Hoppers) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 5歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | ボード×1、カエル×12、問題カード×40 |
価格 | 2,800円(税別) |
チョコレート・フィックス(Chocolate Fix)
カードに書かれたヒントから推測して、チョコレートの正しい配置を考えるゲーム。
事実を組み合わせて結論を導き出す、理論的推理力が身につくゲームです。
難易度は初級・中級・上級・エキスパートの4段階、全40問に挑戦します。
可愛い見た目とは裏腹に、一度に色々なヒントを複合して考えなければいけないので、子供にとってはなかなか難しいと思います。
まずは大人が考え方を教えながらゆっくりと挑戦してみましょう。
我が子は6歳(小1)の時にはちゃんと解けるようになったので、慣れれば大丈夫です。
チョコレート・フィックス(Chocolate Fix) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | トレイ×1、チョコレート×9、問題集×1(40問)、ヒント・チップ×18、収納袋 |
価格 | 3,450円(税別) |
ティップ・オーバー(Tip Over)
ボード上に配置されたブロックを倒して足場を作り、駒がボード上に落ちないように出口まで脱出させるゲーム。
難易度は初級・中級・上級・エキスパートの4段階、全40問に挑戦。
結論から答えを導き出す能力や、数量の感覚が身につきます。
小学校で勉強する算数の本質的理解に繋がる「数量の感覚」が身につくので、幼稚園年長〜小1くらいの子に特におすすめです。
我が子は算数が大の得意なんですが、ティップオーバーのおかげかも?と思っています。
ティップ・オーバー(Tip Over) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | ボード×1、ティッパーマン×1、塔×17、問題カード×40、収納袋×1 |
価格 | 3,500円(税別) |
リバー・クロッシング(River Crossing)
数本しかない板を効率的に動かして切株の間に橋を作り、駒をボードに落とさないようにゴールまで渡すゲーム。
全体を見て考える能力や、理論的に分析する力が身につきます。
問題は全部で40問です。
ティップオーバーの簡単なバージョンと考えてもらえれば分かりやすいでしょう。
ThinkFun製品の中でも難易度が低めなので、幼稚園くらいの子なら一人でもでき、知育ゲームの入門としてもおすすめです。
リバー・クロッシング(River Crossing) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | ボード×1、ハイカー×1、橋×5、問題カード×40、収納袋×1 |
価格 | 3,600円(税別) |
インベーション・オブ・ザ・カウ・スナッチャーズ(Invasion of The Cow Snatchers)
プレイヤーが宇宙人になって、マグネット付きのUFOで牛を吸い上げていくという、「キャトルミューティレーション」をモチーフとしたゲーム。
ボード上には壁・貯蔵庫などの障害物があり、オス牛は最後に吸い取らなければいけないという制約があるのが特徴。
「制約の中で全ての牛を連れ去るルートを考える=制約との因果関係を捉える」ことで、物理的思考力が身につきます。
問題は全部で60問。
対象年齢は6歳〜ですが、制約を覚えるのに少し手間取るので、最初は大人のサポートの元で取り組むのがおすすめです。
インベーション・オブ・ザ・カウ・スナッチャーズ(Invasion of The Cow Snatchers) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 6歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | ボード×1、クリアカバー×1、UFO×1、牛×5、壁×9、ミステリーサークル×5、問題カード×60 |
価格 | 4,200円(税別) |
ローラー・コースター・チャレンジ(Roller Coaster Challenge)
ジェットコースターのコースをプログラミングするダイナミックなゲーム。
高さの違う柱の間をレールでつないで、コースターをスタートからゴールまで走らせることができればクリアです。
「柱の高低差からゴールまでの道筋を考える→その道筋を繋げるためのレールを考える」という思考方法が、「状況解析→処理」というプログラミング的思考方法と同じなので、遊びながらプログラミング学習をすることになります。
問題は全部で40問。
Maze(メイズ)シリーズの中では難易度が低めなので、シンクファンデビューにもおすすめのゲームです。
ローラー・コースター・チャレンジ(Roller Coaster Challenge) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 6歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | ボード、レール×75、トンネル×2、コースター×1、問題カード×40 |
価格 | 5,400円(税別) |
コードマスター(Code Master)
NASAのプログラマーが考案した、プログラミング学習ができるボードゲーム。
ボード上で、指定された条件をクリアして、自分の駒をゴールまで導きます。
「指定された条件でゴールまでの道筋を導き出す」というプログラミングの基本的思考法から、「IF-THEN-ELSEの条件分岐」や、「DO-WHILEのループ構造」のような本格的なプログラミング言語までを、遊びながら自然に身に付けられます。
問題は全部で60問。
難易度に幅があるので、プログラミング学習したい子供も、コーディングの基礎を知っている大人も、一緒に楽しむことができますよ。
コードマスター(Code Master) | |
発売元 | シンクファン(ThinkFun) |
対象年齢 | 8歳〜 |
プレイ人数 | 1人〜 |
内容 | アバター1体、ポータル1台、クリスタル6個、マップ10枚、ガイドスクロール12枚、行動トークン12個、条件トークン8個、解説書 |
価格 | 4,050円(税別) |
クアルト(Quarto)
コマを色・形・穴の有無・高さのいずれかで直線状に4つ揃えれば勝ちです。
コマは自分ではなく対戦相手が選んだものを使うというのがミソ。
「自分が選んで相手に渡したコマで負ける=自分のせいで負ける」ので、悔しくてハマってしまいます。
失敗しない手を選び取る批判的思考力や、全体の状況をみる俯瞰(ふかん)的思考力が身に付きます。
対象年齢は6歳からですが、もう少し小さな子でも十分楽しめますよ。
クアルト(Quarto) | |
発売元 | ギガミック(Gigamic) |
対象年齢 | 6歳〜 |
プレイ人数 | 2人 |
内容 | ボード×1、コマ×16 |
価格 | 6,000円(税別) |
コリドール(Quoridor)
コマを1マス進めるか、フェンスで相手の進路を妨害するか選択。
自分のコマをより早く相手陣地のゴールに進めれば勝ちです。
運では勝てないので、戦略的思考力が身に付きます。
また、相手の思考を読むことも必要なので、相手の立場になって考える力を身につけるのにも役立ちます。
対象年齢は6歳〜です。
もっと低年齢の子には、コリドール・キッズ(対象年齢5歳〜)やコリドール・ジュニア(対象年齢4歳〜)もあるので、お子さんの年齢に合わせて選んでみて下さいね。
コリドール(Quoridor) | |
発売元 | ギガミック(Gigamic) |
対象年齢 | 6歳〜 |
プレイ人数 | 2人〜 |
内容 | ボード×1、コマ×1、フェンス×20 |
価格 | 6,800円(税別) |
ボードゲーム・パズルゲームで「本当に賢い子」を育てよう!
ボードゲームやパズルゲームが教育ツールとしても優れていることが、お分かりいただけたと思います。
「勉強ができる人」よりも、「自分で考えて問題解決できる人」の方が、社会で重宝されるのは言うまでもないことで、そうした「本当に賢い子」を育てるのに、ボードゲームやパズルゲームは役立つわけですね。
ボードゲーム・パズルゲームをお子さんの知育に上手に取り入れて、これからの社会を生き抜ける子を育てましょう!
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